生き残るための逃亡者
地上に生命が降り立ってから40億年を超えるが、生命が生き残る
ために一番重要な要素は何だったのだろうか?
生命が過去に遭遇したあまりにも恐るべき事態。
超巨大隕石によるジャイアントインパクト、全地球の凍結、
度重なる地殻変動、火山活動、繰り返される巨大隕石の落下、果て無き
生存競争…。
あまりにも巨大な力をもつ自然に対し生命が出来たことは…。
逃亡。
全速力で逃亡。力の限り逃亡。リアル逃亡者。
まさに生きるために戦うのではなく逃げる。逃げられる限り逃げる。
逃げる以外に生きるすべなどなかった。
40億年前、地球は隕石の炎に包まれた!!
小惑星直撃後、地球の表面温度は数千度に達し、地表の水分は蒸発し
水蒸気は分解し、地表も溶解…いや蒸発した!!
北斗の拳の世界ですら生ぬるい炎熱地獄、まさに世紀末(紀元前だって)。
…だが生命はそれでも生きていた!
唯一の安息の地、地下に逃げ延びかろうじて生き延びたのだ。
時はずいぶん流れ、7億年前、地球は氷に覆われた!!
マイナス60度の氷結地獄!人間なら5分で死ねる!
…だが生命はそれでも生きていた!
地上の安息の地、温泉にその活を求めたのだ。
やがて生命の敵は自然から生命同士になる。
爆発的な進化を遂げた生命はすさまじい生存競争を開始した。
海洋は生存競争が激しすぎた。あまりにも激しい生存競争から
…また逃げた者たちがいた。
海の中にいた原始的魚類、ある種の甲殻類たちは海から川に逃げ出した。
その川でもやがて生存競争が起こり、ある種の魚類、昆虫や甲殻類の祖先
たちは地上に逃げ出す。
そして爬虫類や昆虫の一部は空に逃げ出したのだ。
今になって魚類の一部も空に逃げ出そうとしてるけどな。
そして元は似た仲間である樹上に逃げたサル、地中に逃げたモグラ、またも
空に逃げ出したコウモリ。
その木の上に逃げたサルの一部が人類だったりする。
サルが現生人類になってわずか数万年、人類は逃げに逃げまくった。
特にアメリカに渡った人類はわずか千年で一番南の端まで逃げ切った。
とうとう人類同士が激しく争う中、もはや人類に逃げ場は無くなった。
後はもう宇宙に逃げるか、水中か地中に逃げるしかないように思えるよ俺。
逃げたい、すさまじく逃げたい、あなたはそう思うことはないだろうか?
よく困難に立ち向かえ、と人はいう。
小さな困難は立ち向かって何とかなるだろう。
しかしかつての遠い先祖のことを考えると、いや近い先祖のことを考えてさえ、
あまりに巨大な困難には立ち向かったところで勝てるわけが無いと気がつかないか?
西洋的な思想では自然すら何とでも成ると考える。アホか?
…どこまで自然というかってのはあるが宇宙あいてにどないかなるとか
思ってるとしたらナチュラルボーン(自主規制)だろ。
いや、宇宙どころか地球自体をどうにかできると思ってるとしてすら、
ナチュラルボーン(自主規制)でいいんじゃないか?
…何でそんなこと考え付けるのかとふと思ったら、所詮その程度の
自然災害にしかあってない連中がそういう考えをするのだ。
M8クラスの地震、風速数十メートルの台風相手に、現在の科学力を持たない人類が
どうこうできるわきゃないだろ(今ですら怪しいけど)。
歴史に残る最大の地震、チリ大地震はM9.5だったと推定されている。
M7クラスでメガトン級水爆に匹敵。M9は…その1000倍。
つまり5600メガトンの水爆に相当する。旧ソ連でもそんな水爆もってねーよ。
人類史上最大の水爆ですらたったの50メガトンだぞ。
ジャイアントインパクトの威力?考えるだけで恐ろしいわ。
マグニチュード換算して10以下ってことだけは絶対無い。断言できる。
あまりに巨大な大規模自然災害からは…そりゃもう逃げるしかないだろ。
逃げる場所?わからないけど逃げるしかない。
ディープインパクトやアルマゲドンの隕石の100倍の隕石、ジャイアント
インパクト級の隕石がきたとしたら…多分ほとんどの人間を残して
宇宙か地下かに逃げるしかないと思う。
残りの人間は…残念だがあがいてもどうにもなりはしない。それでもあがくのか?
そうか、ならばあがくがいい。ひょっとしたら何とかならん事もないかもしれん。
…いずれにしろ56億7千万年後には地球は太陽に飲み込まれる。まさに涅槃。
そうなっても生命は宇宙に逃れようとするだろう。生きる、それこそが生物の業だろうか。